任意整解決実例4|住宅ローンを残したまま、他の借金をゼロにした方法

任意整理の実例 ケース4

マイホームを手放さずに任意整理で解決

お悩み(名古屋市在住・Kさん/40代・派遣社員)

「なんとかして家だけは守りたい…」
Mさんは、ご家族との安定した暮らしを願い、数年前に念願のマイホームを購入されました。当初は順調に住宅ローンの返済を続けていましたが、思うように収入が伸びず、生活費や教育費の負担が重なっていきます。

将来のためにと貯めていた預貯金も底をつき、ついには消費者金融からの借り入れに頼らざるを得ない状況に追い込まれてしまいました。

家庭を壊したくない一心で、奥様には借金のことを隠したまま、自ら無理をして家計を支えてこられました。しかし、支払いの限界が近づく中で、

「このままでは返済ができなくなるかもしれない」

「でも、家族と住むこの家だけは失いたくない…」

という深い不安から、当事務所にご相談いただきました。

問題となるポイント

  • 住宅ローンが残っている状態での債務整理は可能か?
  • マイホームを手放さずに借金整理を進められるか?
  • 家族に知られずに手続きを進める方法はあるか?
  • 任意整理・個人再生・自己破産のどれが最も適しているか?

現状

借金及び財産の状況

借金

借金 取引期間
消費者金融 4社 約350万円 2年~9年
住宅ローン 約1700万円
合計 約2050万円

月々の家計の状況

収入 支出
Mさんの収入 約32万円 生活費(家賃、食費等) 約24万円
Mさんの借金返済 約12万円
合計 約32万円 合計 約36万円

※月々の収入から借金の返済を除いた支出合計を引くと8万円となります。これが余剰金(月々の収入から返済に充てることができる金額の基準)です。

解決のご提案

マイホームを守りながら借金問題を解決するために──任意整理を選択

Mさんの最大のご希望は、「家族と暮らす家を守りたい」という強い想いでした。

そこで当事務所では、マイホームを維持しつつ返済可能な解決案として、「任意整理」の選択肢をご提案いたしました。

住宅ローンを返済中の債務者が家を手放さずに債務整理をする方法としては、主に次の2つが考えられます:

  • 個人再生(住宅ローン特則付き)
  • 任意整理(住宅ローンや担保付き債権を除外可能)

しかし、Mさんの場合、消費者金融のうち1社が不動産担保ローンであることが判明。

このように、住宅ローン以外にも担保設定されている借入がある場合は、個人再生を選択してもマイホームを守ることができません

一方で、長期の取引があった債権者に対しては、過払金の発生が見込まれ、それを活用することで他の借金返済に充当できる可能性がありました。

加えて、住宅ローンと不動産担保ローンの2つを除けば、収入内で無理なく返済できる見込みも立ちました。

また、今後の返済計画には家計の協力が不可欠となるため、奥様にすべての事情をご説明いただくこともご提案しました。

ご納得のうえ、住宅ローンと担保付きローンを除く債権者に対してのみ、任意整理をする方針となりました。

チェックポイント

  • 任意整理であれば、手続きする債権者を選べるため、担保付きローンを除外できる。
  • 過払金が発生している可能性が高く、返済資金に活用できる。
  • 不動産担保ローンがあると個人再生は使えないため注意が必要。
  • 家計管理者(配偶者)の協力が必要なケースもあるため、情報共有が重要。

手続きの結果

債権者 依頼時の残金 取引年数 引き直し後の残高 支払方法 月々の返済額
消費者金融A社 約80万円 9年 約11万円 一括 0円
消費者金融B社 約30万円 7年 過払い金 9万円 - -
消費者金融C社 約40万円 7年 過払い金 26万円 - -
合計 約150万円 合計 約24万円 合計 0万円

手続きを行っていない債権者

債権者 残金 支払い状況
消費者金融D社(不動産担保) 約200万円 月々3万円ずつ分割返済
住宅ローン 約1700万円 月々3万5千円ずつ分割返済

任意整理で過払金を回収し、借金ゼロに── 奥様の協力も得て、生活再建へ

Mさんが借入していた3社のうち2社で過払金が発生し、合計35万円の回収に成功

そこから報酬を差し引いても14万円が手元に残り、債務の残っていたA社(残額11万円)には一括での返済が可能となりました。

結果として、任意整理手続きの対象となった債務はすべて完済となりました。

さらに、奥様にすべてを正直にお話されたことで信頼関係が深まり、奥様もパート勤務を始めて家計を支えるご協力をいただけることに。

その結果、任意整理の対象外とした他の2社への返済も、今後は無理なく継続できる見通しが立ちました。

手続きの期間と費用

手続き期間:
受任からの取引履歴開示まで約1か月,和解まで合計約3か月
費用:
当事務所報酬:16万円(着手金を除く)
※過払い金よりお支払い

任意整理の無料相談は今すぐ!
Zoomで全国対応・家族に知られず対応

債務整理全般の相談は今すぐ!

Zoomで全国対応。家族に知られずに対応出来ます。

司法書士事務所LEGAL SQUAREでは、1,500件を超える債務整理の実績に基づき、債権者ごとの交渉ノウハウを熟知しています。
Zoomによる全国対応も可能です。

【司法書士事務所LEGAL SQUARE 公式チャンネル】

「家族や会社に内緒で解決」は可能なのか? 
──代表司法書士が動画で解説する「バレないための6つの鉄則」