自己破産実例5|借金から逃げ続けた過去と決別し再出発を果たした方法
自己破産の実例 ケース5
取り立てから逃げていた過去に終止符を打つために自己破産を決意
お悩み(名古屋市在住・Kさん/40代・派遣社員)
長年逃げていた債権者から突然の督促連絡があり、「もう逃げ続けることはできない」と覚悟を決めました。
Kさんは体があまり強くなく、長期間安定して働くことが難しい体調でした。
きっかけは、病気による医療費や生活費を補うために、やむを得ず消費者金融からの借入れを始めたことです。
しかし、体調の悪化により職場を何度も変えることになり、次第に返済が滞るように。督促の電話や通知が精神的に重くのしかかり、返済したくても働けないという状況に追い込まれたKさんは、ある日、最低限の荷物だけを持って自宅を離れ、連絡を絶ってしまいます。
その後は、日雇いの仕事を転々としながら、その日暮らしの生活を続けていました。元々体が丈夫ではなかったこともあり、このような不安定な生活に限界を感じるようになり、ようやく体に負担の少ない職場に就職することができました。
新しい生活をスタートさせようと前向きに進み始めた矢先、過去に借入れていた債権者の1社から督促が届き、Kさんは「もう逃げることはできない」と感じ、意を決してご相談に来られました。
問題となるポイント
- 長期間にわたり返済を放置していた場合でも、自己破産の手続きは可能なのか?
- 督促を無視して逃げていたことが、免責に影響するのではないか?
- 長期間住所不定で収入が不安定だったことは、裁判所にどう評価されるのか?
- 体調不良などの事情がある場合、返済不能の正当な理由と認められるのか?
- 逃げていた間の債権者の対応(訴訟・時効など)はどうなっているのか?
現状
借金及び財産の状況
借金
| 借入先 | 借金 | 財産 |
|---|---|---|
| 消費者金融 6社 | 約430万円 | ・自動車 |
| 滞納税金 | 約80万円 | |
| 合計 約510万円 | 合計 約0万円 | |
*自動車について
自動車はすでにローンが完済されており、かつ初年度登録から7年以上が経過しているため、財産価値は「0円」として扱われました。
※なお、登録から7年未満の車両については査定書の提出が必要となり、査定額によっては手放す必要がある場合もあります。
月々の家計の状況
| 収入 | 支出 |
|---|---|
| Kさんの収入 約17万円 |
生活費 (家賃、食費等)約12万円 |
| 医療費 約3万円 | |
| 合計 約17万円 | 合計 約15万円 |
※月々の収入から借金の返済を除いた支出合計を引くと2万円となります。これが余剰金(月々の収入から返済に充てることができる金額の基準)です。
解決のご提案
体調への不安や債権者との交渉困難をふまえ、自己破産をご提案しました。
Kさんの場合、数年間にわたり債権者への返済が滞っていたため、交渉自体が難航することが予想されました。また、体調の変化によって今後も安定して返済を続けられるか不透明であったことから、無理な返済計画よりも生活の立て直しを優先すべきと判断し、自己破産の手続きをご提案しました。
Kさんには3~4年の取引期間があったため、利息制限法に基づく引き直し計算を行えば、一定の減額は見込める状況でした。しかし、その後数年にわたり一切の返済がなかったことから、債務の元本以上に損害金が膨れ上がっており、全体の債務総額はむしろ増加していると想定されました。
現在は定職に就かれ、収入の安定は見込めるようになったものの、月々の余剰金は約2万円にとどまっており、任意整理や個人再生による分割返済では現実的に生活が成り立たない状況です。また、体力的にも複数の仕事を掛け持つことは長期的には困難であるため、無理のない方法として自己破産手続きを正式に受任しました。
チェックポイント
- 月々の余剰金が約2万円と少額で、安定返済が難しかった
- 複数年にわたり返済が滞っていたことで、損害金が大きく膨らんでいた
- 長期間返済をしていない場合、任意整理などの債権者交渉に応じてもらえないことがある
手続きの結果
長期間返済が滞っていたため、免責が認められるかどうか不安を感じていましたが、当事務所が丁寧に状況を整理し、裁判所へ適切に説明を行った結果、無事に免責許可決定を受けることができました。
借金から逃げ続けた過去と決別し、自己破産で再出発を果たした実例です。
手続きの期間と費用
- 手続き期間:
- 受任からの申立てまで約2か月、申立てから免責許可まで約3か月、合計約5か月
- 費用:
- 当事務所報酬(着手金を除く):36万円(月々2万円の分割払い)
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