個人再生実例3|ギャンブル・投資の借金825万円→約176万円に減額した方法
個人再生の実例 ケース3
ギャンブル・投資が原因で抱えた825万円の借金。自己破産を回避し、個人再生で再スタート!
お悩み(名古屋市在住・Mさん/40代・会社員)
「ギャンブルや投資が原因でも、救済の道はあるのだろうか……」
──そう不安を抱えてご相談にいらっしゃったのは、会社員のM様。
M様は、趣味で行っていたパチンコや競馬に加えて、株式やFXといった投資にも手を出すようになり、次第に借入額が膨らんでいったといいます。最初は「取り戻せる」という気持ちで資金をつぎ込んでいたものの、相場の下落や損切りが重なり、気づけば消費者金融からの借入が数百万円にまで膨れ上がってしまいました。
その後、投資活動はすべて清算し、節約をしながら返済を続けてきたM様でしたが、借入額が多すぎて返済が追いつかず、自転車操業の状態に。
「ギャンブルや投資が原因では自己破産も難しいと聞いたのですが、他に方法はないでしょうか」──そう語られたM様に、私たちは丁寧に耳を傾け、最適な債務整理の方法をご提案しました。
問題となるポイント
- ギャンブル・投資の履歴があっても、裁判所は自己破産を認めて免責してくれるのか?
- ギャンブルや投資で作った借金は、どの債務整理手続きが適しているのか?
- 投資やギャンブルによる借金でも減額できる可能性はあるのか?
現状
借金及び財産の状況
借金
| 借入先 | 借金 | 財産 |
|---|---|---|
| 消費者金融9社 | 約665万円 | 現金 約40万円 |
| 預貯金 約15万円 | ||
| 退職見込金 約17.5万円 | ||
| 信販会社3社 | 約160万円 | 電話加入権 約1万円 |
| 自動車 約90.8万円 | ||
| 敷金 約12万円 | ||
| 合計 約825万円 | 合計 約176.3万円 | |
月々の家計の状況
| 収入 | 支出 |
|---|---|
| Mさんの収入 約41万円 | 生活費(食費等) 約30万円 |
| Mさんの借金返済 約34万円 | |
| 合計 約41万円 | 合計 約64万円 |
※月々の収入から借金の返済を除いた支出合計を引くと11万円となります。これが余剰金(月々の収入から返済に充てることができる金額の基準)です。
解決のご提案
自己破産は避けたい──その強い希望と返済能力を踏まえ、個人再生(小規模個人再生)をご提案しました。
M様は、収入約41万円に対して、日常生活に必要な支出が約30万円。差し引き約11万円の余剰金が毎月確保できており、返済能力に問題はありませんでした。一方で、借入総額は約825万円に達しており、このままでは完済は現実的ではありません。
債務整理の選択肢として、自己破産も検討しましたが、M様の場合、借入原因がギャンブルや株・FXによる投資であることから、免責が認められない可能性が高く、本人にも「借金は自分で返したい」との強い意思がありました。
そこで、債務総額の5分の1まで圧縮できる個人再生(小規模個人再生)の手続きをご提案しました。ただし、M様は預貯金や保険等の財産が約176万3,000円あり、「清算価値保証の原則」により、その金額を下回る返済計画は認められません。結果として、176万3,000円までの減額が適用され、現実的かつ法的に妥当な返済が可能となりました。
チェックポイント
- 債務総額は825万円。個人再生により、財産評価額(176万3,000円)までの減額が認められる。
- 毎月の余剰金は11万円。減額後の返済額であれば、安定した返済が十分に可能。
- 消費者金融からの借入れは、取引期間が短く、利息再計算による減額は限定的。任意整理では抜本的な解決に至らない。
- 借入原因がギャンブル・投資のため、自己破産では免責不許可となるリスクが高い。個人再生であれば原因不問で認可される可能性が高い。
- 無理に任意整理を選択した場合、返済計画が破綻しやすく、再度の債務整理が必要になるリスクがある。
手続きの結果
| 債権者 | 依頼時の残金 | 取引年数 | 引き直し後の残高 | 再生減額後の金額 | 支払回数 3ヶ月に1回 |
各回の支払い金額 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 消費者金融A社 | 約160万円 | 5年 | 約95万円 | 約26万円 | 12回 | 21,600円 |
| 消費者金融B社 | 約135万円 | 4年 | 約100万円 | 約27万円 | 12回 | 22,800円 |
| 消費者金融C社 | 約97万円 | 3年 | 約82万円 | 約22万円 | 12回 | 18,700円 |
| 消費者金融D社 | 約85万円 | 3年 | 約68万円 | 約19万円 | 12回 | 15,500円 |
| 消費者金融E社 | 約68万円 | 3年 | 約51万円 | 約14万円 | 12回 | 11,600円 |
| 消費者金融F社 | 約65万円 | 3年 | 約48万円 | 約13万円 | 12回 | 10,900円 |
| 消費者金融G社 | 約50万円 | 2年 | 約44万円 | 約12万円 | 12回 | 10,000円 |
| 消費者金融H社 | 約44万円 | 2年 | 約39万円 | 約11万円 | 12回 | 8,900円 |
| 消費者金融I社 | 約28万円 | 1年 | 約26万円 | 約7万円 | 12回 | 5,900円 |
| 信販会社J社 | 約45万円 | 4年 | 約45万円 | 約12万円 | 12回 | 10,200円 |
| 信販会社K社 | 約39万円 | 4年 | 約39万円 | 約11万円 | 12回 | 8,900円 |
| 信販会社L社 | 約9万円 | 4ヶ月 | 約9万円 | 約2.3万円 | 1回 | - |
| 合計 約825万円 | 合計 約646万円 | 合計 約176万円 | 合計 145,000円 (1か月=48,300円) |
※通常は1ヶ月に1回の分割返済を行いますが、本件では毎月の返済額が少額となるため、振込手数料の負担を軽減する目的で「3ヶ月ごとの支払い方式」を採用しました。
※信販会社L社については、再生後の返済額が2万3,000円と少額であるため、1回の支払いで完済しました。よって、下記の「各回の支払額」には含めておりません。
利息制限法に基づく引き直し後でも、消費者金融からの借入残高は約646万円残っていました。しかし、小規模個人再生の手続きを行ったことにより、最終的な返済額は約176万3,000円にまで圧縮されました。
これにより、3ヶ月に1回の支払い金額は14万5,000円(1ヶ月あたり約48,300円)となり、毎月11万円の余剰金があるM様にとって、無理のない返済計画を実現できました。
手続きの期間と費用
- 手続き期間:
- 受任から申立準備・申立完了までに約4ヶ月、裁判所への申立から再生計画認可決定までに約6ヶ月、合計10ヶ月間
- 費用:
- 当事務所報酬(着手金を除く):47万円(受任後一括払い)
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