個人再生実例1|自己破産せず562万円の借金を約100万円に減額した方法

個人再生の実例 ケース1

自己破産は避けたい…
病気療養と多重債務の悩みに個人再生で解決

お悩み(名古屋市在住・Nさん/30代・会社員)

お悩み(名古屋市在住・Nさん/30代・会社員)

病気による療養生活の中で借金が増え、「自己破産は避けたいが、返済を続けるのは限界かもしれない…」という不安を抱えてご相談に来られました。
Nさんは、持病の治療のため通院と服薬を続けており、その医療費の負担を補うために複数の消費者金融から借入れをしました。

治療の影響で長期間にわたり仕事を休まざるを得ず、収入が激減したこともあり、借金は徐々に膨らんでしまいました。
Nさんは「できる限り返済したい」との思いから、毎月の返済を真面目に続けてこられましたが、借入と返済を繰り返す「自転車操業」の状態に。

このままの状態では生活の再建が難しくなると感じ、「自己破産は避けたいが、今のままでは支払いが限界」と当事務所へご相談くださいました。

問題となるポイント

  1. 病気や治療のために収入が減った場合でも、債務整理はできる?
  2. 複数の消費者金融から借りて自転車操業になってしまったら、どうすればいい?
  3. 自己破産は避けたいが、他に借金を減額する方法はある?
  4. 今は収入が少なくても、将来的な回復を見越して再生計画を立てられる?

現状

借金及び財産の状況

借金

借入先 借金 預貯金
消費者金融2社 約258万円 約30万円
信販会社5社 約285万円
銀行1社 約19万円
合計 約562万円 合計 約30万円

月々の家計の状況

収入 支出
Nさんの収入 約23万円 生活費(食費等) 約15万円
Nさんの借金返済 約20万円
合計 約23万円 合計 約35万円

※月々の収入から借金の返済を除いた支出合計を引くと8万円となります。これが余剰金(月々の収入から返済に充てることができる金額の基準)です。

解決のご提案

自己破産だけは避けたいというN様の強いご希望を最大限に尊重し、小規模個人再生の手続きをご提案しました。

N様の毎月の収入は約23万円で、生活費などの支出を差し引いた余剰金は約8万円。借金総額は562万円ありましたが、個人再生であればこの債務を最大5分の1(112万円)まで減額できる可能性があるため、現実的な返済が可能と判断しました。

また、取引のあった消費者金融2社は返済期間が3~5年と長期にわたっており、過去の取引履歴をもとに再計算することで、さらなる債務の圧縮が見込まれました。さらに、N様の保有財産は約30万円と少額であり、清算価値保証の原則にも適合していました。

なお、借入先のうち信販会社や銀行は、利息制限法内の取引であったため減額は困難でしたが、それでも再生手続によって大幅な負債軽減が見込める状況でした。

N様は、借金の原因が病気による通院や治療費の支払いであり、免責不許可事由に該当しないことから自己破産も検討可能でしたが、「破産だけは避けたい」とのご本人の意志に基づき、再生計画を立てて3年での完済を目指す手続きとなりました。

チェックポイント

  • 債務総額が562万円 → 個人再生により最大5分の1(112万円)まで減額可能。
  • 月収約23万円に対し、支出が約15万円 → 毎月8万円の余剰金があり、返済能力があると判断。
  • 財産総額は約30万円と少額 → 清算価値保証の原則により再生手続きが可能。
  • 「給与所得者等再生」とは異なり、「小規模個人再生」を選択した理由は、可処分所得の要件を回避し、返済額を圧縮するため。
  • N様が給与所得者等再生を選んだ場合、8万円×24ヶ月=192万円の返済義務が発生する可能性あり。
  • 小規模個人再生であれば、債務総額に応じて112万円程度の返済で済む見込み。

手続きの結果

債権者 相談時の残金 取引年数 引き直し後の残高 再生減額後の金額 支払回数※2
(3ヶ月に1回)
各回の支払い金額
(3ヶ月に1回)
消費者金融A社 約111万円 5年 約28万円 約10万円 12回 8,900円
消費者金融B社 約147万円 3年 約128万円 約31万円 12回 26,200円
信販会社C社 約160万円 5年 約160万円 約29万円 12回 24,300円
信販会社D社 約70万円 3年 約70万円 約16万円 12回 13,200円
信販会社E社 約32万円 2年 約32万円 約7万円 12回 6,000円
信販会社F社 約21万円 1年 約21万円 約5万円 12回 4,300円
信販会社G社 約2万円 6ヶ月 約2万円 約4,500円 1回 0円
銀行H社 約19万円 4年 約19万円 0円 0回 0円
合計 約562万円 合計 約460万円 合計 約100万円 合計 82,900円
(1か月=27,800円)

手続き結果のポイント

※1 銀行Hの債務について:
銀行Hからの借入金19万円については、すでに消費者金融A社が「代位弁済(肩代わり返済)」を行っていたため、本件ではA社がその債権を取得し、銀行Hへの直接の返済義務は発生しませんでした。

※2 支払回数と振込手数料について:
通常、再生計画に基づく支払いは「月1回」が原則ですが、本件では毎月の支払額がごく少額となることから、振込手数料の負担を軽減する目的で「3ヶ月に1回の支払い(年4回)」としました。再生計画上も問題なく認められています。

※3 信販会社G社の再生債権について:
信販会社G社に対する再生後の債務はわずか4,500円であり、1回の支払いで全額返済が完了することとなったため、「各回の支払金額」欄には含めていません。

消費者金融A社およびB社との取引については、利息制限法を超える高金利での借入れがあったため、再計算の結果、債務総額が合計で102万円減額されました。

さらに、小規模個人再生の手続きを進めたことにより、最終的な支払総額は100万円にまで圧縮されました。

この結果、毎回の支払いは3ヶ月ごとに82,900円(1ヶ月あたり27,800円)で設定され、N様の月々の余剰金8万円の範囲内で無理なく返済可能な計画となりました。

手続きの期間と費用

手続き期間:
受任から申立準備・申立完了までに約3か月
裁判所への申立から再生計画認可決定までに約6か月、合計9か月間
費用:
当事務所報酬(着手金を除く):43万円(月々7万円の分割返済)

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