任意整解決実例6|保証人の借金で、家を手放さずに解決した方法

任意整理の実例 ケース6

同僚の自己破産で保証人の私に請求が…住宅ローンも抱え任意整理を決意

お悩み(名古屋市在住 Hさん/40代・会社員)

同僚の自己破産で保証人の私に請求が…住宅ローンも抱え支払い不能に

お悩み(名古屋市在住 Hさん/40代・会社員)

名古屋市在住の会社員・Hさんは、同僚の借金について連帯保証人となっていました。
しかし、その同僚が自己破産を申立てたため、Hさんが代わって全額を返済しなければならない状況に。

Hさんご自身も住宅ローンを抱えており、これまで同僚が支払っていた毎月の返済額をそのまま肩代わりするのはとても現実的ではありませんでした。
「このままでは自分の生活も破綻してしまう」と危機感を抱いたHさんは、債務整理の専門家である当事務所へ相談にお越しになりました。

問題となるポイント

  • 同僚が自己破産した場合、保証人にはどのような請求がくるのか?
  • 保証債務による支払い義務が発生した場合、自宅(住宅ローン)を守るにはどうすればよいか?
  • 住宅ローンがある場合でも任意整理などの債務整理は可能なのか?
  • 保証人として背負った債務に対して、任意整理・個人再生・自己破産のうち最も現実的な対応策はどれか?

現状

借金及び財産の状況

借金

借金 取引期間
消費者金融(保証)1社 約120万円 1年~8年
銀行(住宅ローン)1社 約1000万円
合計 約1120万円

月々の家計の状況

収入 支出
Hさんの収入 約35万円 生活費(家賃、食費等) 約18万円
保険料・積立金等 約3万円
住宅ローン返済 約10万円
合計 約35万円 合計 約31万円

※月々の収入から借金の返済を除いた支出合計を引くと4万円となります。これが余剰金(月々の収入から返済に充てることができる金額の基準)です。

解決のご提案

Hさんは住宅ローンを抱えながら、同僚の自己破産によって保証人として高額な借金返済義務を負うことになりました。

当初は自己破産や個人再生といった債務整理手続きも検討しましたが、Hさんには社内積立金や生命保険の解約返戻金など、総額120万円以上の資産があったため、以下の理由から任意整理が最も現実的な選択であると判断しました。

各手続きの検討結果

自己破産を選択すると自宅を手放す必要があるため、住宅を残したいHさんには不向きでした。

次に、個人再生についても、財産の価値が借金総額を上回る場合には減額が認められない(=「清算価値保障の原則」)ため、実質的な救済が見込めませんでした。

一方、任意整理であれば、手続き対象となる債権者を選べるため、今回は返済負担の大きい1社(消費者金融)に絞って手続きを行う方針を提案しました。

ただし、以下の2点については事前にHさんへしっかりとご説明しました:

  • 当該債権者との取引期間が1年未満と短く、かつ借入額が120万円以上と高額であるため、任意整理後も利息(将来利息)を請求される可能性があること
  • 長期分割での和解に応じてもらえない可能性があること

それでも、法的手続きによって住宅を手放すリスクを回避できる任意整理は、Hさんにとって最も現実的かつ納得のいく選択となりました。

チェックポイント

  • 任意整理は、対象債権者を選んで手続きできる柔軟な方法
  • 自己破産をすると、原則として住宅は手放す必要がある
  • 個人再生は、財産が借金より多いと借金の減額が認められない(清算価値保障の原則)
  • 借入期間が短く、金額が高額な場合は、利息の免除や長期分割に応じてもらえないこともある

手続きの結果

債権者 依頼時の残金 取引年数 引き直し後の残高 支払方法 月々の返済額
消費者金融A社 約120万円 1年 約120万円 分割 60回 2万円
合計 約120万円 合計 約120万円 合計 2万円

手続きを行っていない債権者

債権者 残金 支払い状況
銀行(住宅ローン) 約1000万円 月々10万円の分割返済

驚異的な交渉成果

任意整理の手続きを行った結果、住宅ローンを含めたHさんの全体の債務総額は約1,120万円となりましたが、月々の返済額は12万円まで軽減され、Hさんの給与の範囲内で無理なく返済できる計画を立てることができました。

特に大きな成果となったのは、消費者金融との交渉により「将来利息(年利)」を0%にカットできたことです。

通常であれば、高額かつ取引期間が短い場合は利息の免除に応じてもらえないケースも多い中で、今回は粘り強い交渉により、利息ゼロ・60回(5年間)の分割払いという条件での和解を成立させることができました。

この結果、Hさんは住宅を手放すことなく、生活を維持しながら現実的な返済計画で再スタートを切ることができました。

手続きの期間と費用

手続き期間:
受任からの取引履歴開示まで約2週間,和解まで合計約1か月
費用:
当事務所報酬(着手金を除く):3万円(受任後一括払い)

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