個人再生実例2|浪費で抱えた借金630万円→約118万円に減額した方法
個人再生の実例 ケース2
浪費で膨らんだ借金630万円。自己破産は無理でも個人再生で再出発へ
お悩み(名古屋市在住・Dさん/30代・会社員)
「すぐに返せば問題ない」と思い、引越し後に必要な家電や家具をクレジットカードで購入し始めたDさん。
カード決済の手軽さに慣れていくうちに金銭感覚が麻痺し、複数のカードを併用するようになってしまいました。
その後もスキューバダイビングや旅行、洋服などの支出が重なり、次第に生活費が足りなくなったことで消費者金融からの借入れも開始。
月々の返済額は膨らみ続け、いつしか収入の多くが返済に消える「自転車操業」の状態に陥っていました。
何とか返済を継続していたものの、借金総額はついに630万円に達し、「このままでは生活が完全に破綻してしまう」と危機感を覚え、ご相談に至りました。
問題となるポイント
- 浪費が原因の場合でも、自己破産以外に選択できる債務整理の手続きはある?
- クレジットカードのショッピング利用が多い場合でも、借金の減額は可能?
- カードローンの件数が多く、自転車操業の状態でも、生活再建の見込みは立てられる?
- 債務整理手続きをした場合、今後の生活や信用情報にどのような影響が出るのか?
現状
借金及び財産の状況
借金
| 借入先 | 借金 | 預貯金 |
|---|---|---|
| 消費者金融3社 | 約361万円 | 約10万円 |
| 信販会社2社 | 約137万円 | |
| 銀行2社 | 約132万円 | |
| 合計 約630万円 | 合計 約10万円 | |
月々の家計の状況
| 収入 | 支出 |
|---|---|
| Dさんの収入 約25万円 | 生活費(食費等) 約18万円 |
| ボーナス年間 約80万円 | Dさんの借金返済 約18万円 |
| 合計 約25万円 | 合計 約36万円 |
※月々の収入から借金の返済を除いた支出合計を引くと7万円となります。これが余剰金(月々の収入から返済に充てることができる金額の基準)です。
解決のご提案
浪費が原因で借金が増えたD様には、自己破産ではなく小規模個人再生をご提案しました。
D様の借入原因は、家電や衣類の購入、スキューバダイビングや旅行などの遊興費が大半を占めていました。このような浪費は免責不許可事由に該当する可能性が高く、自己破産を選んでも借金が免責にならないリスクがありました。さらに、D様ご本人も「自分の責任なので、できるだけ返済したい」と希望されたことから、減額後に計画的返済が可能な「小規模個人再生」をご提案しました。
D様の収入は25万円で、生活費などの支出を除いた月の余剰金は7万円。借金の総額は630万円でしたが、個人再生を行えば法律上、最大5分の1(126万円)まで圧縮可能です。7万円の余剰金があれば、分割返済をしていくことは十分に現実的でした。
なお、任意整理という選択肢も検討しましたが、消費者金融3社との取引期間が1~3年と短く、引き直し計算による減額は期待できませんでした。信販会社や銀行の借入も利息制限法の範囲内であり、600万円以上の債務が残る見込みでした。この場合、分割返済を最大5年としても毎月10万円が必要となり、D様の支払能力を超えてしまいます。
こうした理由から、D様にとって最も現実的かつ再スタートしやすい制度が、小規模個人再生でした。
チェックポイント
- 浪費が原因でも、個人再生なら借金を大幅に減額して返済できる。
- 個人再生を選択すれば、最大で借金が5分の1(126万円)まで圧縮可能。
- 収入25万円に対して支出18万円、余剰金が7万円あるため、減額後は返済が可能。
- 財産総額は約10万円と小額であり、清算価値保証の原則にも合致。
- 給与所得者等再生では「可処分所得要件」を満たす必要があるが、D様の場合は減額幅が小さくなってしまう(約328万円)ため、小規模個人再生が適切。
- 無理に任意整理を選ぶと、返済額が高額になり支払い困難に陥るリスクがある。
手続きの結果
| 債権者 | 相談時の残金 | 取引年数 | 引き直し後の残高 | 再生減額後の金額 | 支払回数 | 各回の支払い金額 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 消費者金融A社 | 約91万円 | 3年 | 約91万円 | 約18万円 | 36回 | 5,100円 |
| 消費者金融B社 | 約230万円 | 1年 | 約214万円 | 約43万円 | 36回 | 11,900円 |
| 消費者金融C社 | 約40万円 | 2年 | 約31万円 | 約6万円 | 36回 | 1,700円 |
| 信販会社D社 | 約112万円 | 4年 | 約100万円 | 約20万円 | 36回 | 5,600円 |
| 信販会社E社 | 約25万円 | 4年 | 約25万円 | 約5万円 | 36回 | 1,400円 |
| 銀行F社 | 約102万円 | 3年 | 約102万円 | 約20万円 | 36回 | 5,700円 |
| 銀行G社 | 約30万円 | 3年 | 約30万円 | 約5万円 | 36回 | 1,600円 |
| 合計 | 約630万円 | 約593万円 | 約118万円 | 33,000円 |
利息制限法に基づく再計算を行った結果、債務総額は約37万円の減額にとどまりました。しかし、小規模個人再生の手続きを選択したことで、総債務額約630万円が118万円まで大幅に圧縮されました。
この結果、月々の返済額は33,000円となり、毎月7万円の余剰金の範囲内で、無理なく返済を継続できるようになりました。
手続きの期間と費用
- 手続き期間:
- 受任から申立準備・申立完了までに約3ヶ月、裁判所への申立から再生計画認可決定までに約5ヶ月、合計8ヶ月間
- 費用:
- 当事務所報酬(着手金を除く):42万円(月々5万円の分割払い)
個人再生の無料相談は今すぐ!
Zoomで全国対応・家族に知られず対応
債務整理全般の相談は今すぐ!
Zoomで全国対応。家族に知られずに対応出来ます。
司法書士事務所LEGAL SQUAREでは、1,500件を超える債務整理の実績に基づき、債権者ごとの交渉ノウハウを熟知しています。
Zoomによる全国対応も可能です。