自己破産実例2|ギャンブルが原因でも免責が認められた方法
自己破産の実例 ケース2
ギャンブルによる借金で自己破産…それでも人生を立て直したい
お悩み(愛知県在住・Dさん/50代・会社員)
安定した職に就いて10年以上──
会社員としてまじめに働きながらも、ストレスや趣味の延長から始めたギャンブルが原因で、気づけば多額の借金を抱えていたAさん。
「ギャンブルが原因だと、自己破産ができないのでは…」
「家族や職場に知られるのが怖い…」
そうした不安から長い間ご相談をためらっていましたが、返済を続けるうちに生活費すら足りなくなり、いよいよ限界に。
自転車操業の状態で生活が破綻寸前となり、「このままではもう立ち直れない」と感じたことから、当事務所へご相談にいらっしゃいました。
問題となるポイント
- ギャンブルが原因の借金でも、自己破産は認められるの?
- 会社員で安定収入がある場合でも、自己破産はできるの?
- 自己破産をする場合でも、家財や車を手放さずに済む方法はある?
- 自己破産をしても、家族や勤務先に知られずに手続きできる?
現状
借金及び財産の状況
借金
| 借入先 | 借金 | 財産 | |
|---|---|---|---|
| 消費者金融10社 | 約700万円 | ・自動車 | |
| ・家財道具 | |||
| 信販会社2社 | 約100万円 | ||
| ・予定退職金 | |||
| 合計 約800万円 | 合計 約25万円 | ||
*自動車について
自動車はすでにローンが完済されており、かつ初年度登録から7年以上が経過しているため、財産価値は「0円」として扱われました。
※なお、登録から7年未満の車両については査定書の提出が必要となり、査定額によっては手放す必要がある場合もあります。
*予定退職金について
予定退職金とは、現時点で退職した場合に会社から支払われる退職金の見込み額を指します。
手続きには、退職金規定または予定退職金額が明記された証明書類の提出が必要ですが、実際に退職する必要はありません。
この金額の「8分の1」が財産として扱われ、自己破産手続き上の財産評価に含まれます。
*家財道具について
冷蔵庫・テレビ・洗濯機などの生活必需品は、原則として処分の対象にはなりませんので、そのまま保持することが可能です。
ただし、ローンが残っている場合は原則として返却が求められる可能性があります。また、生活必需品以外の貴金属・高級家電・絵画などの資産価値の高い品物については、換価対象となることがありますので注意が必要です。
月々の家計の状況
| 収入 | 支出 | |
|---|---|---|
| Aさんの収入 約25万円 | 生活費(家賃、食費等) 約22万円 | |
| 保険料・積立金等 約3万円 | ||
| 奥様の収入 約3万円 | ||
| Aさんの借金返済 約25万円 | ||
| 合計 約28万円 | 合計 約50万円 |
※月々の収入から借金の返済を除いた支出合計を引くと3万円となります。これが余剰金(月々の収入から返済に充てることができる金額の基準)です。
解決のご提案
A様のケースでは、借金の原因がギャンブルであるため、自己破産が認められないリスクがある点を考慮し、まずは利息の引き直し計算を行い、その結果に応じて「自己破産」または「個人再生」の選択肢をご提案いたしました。
ご夫婦の合計収入は約28万円でしたが、借金返済を除いた生活支出が約25万円と高額で、毎月の余剰金は約3万円にとどまる状況でした。さらに、借入総額は約800万円に達しており、長期的に返済を継続するのは非常に困難な状態にありました。
また、取引期間自体は5年と比較的長めでしたが、借入額が急増したのはここ1~2年以内であることから、利息の引き直しによる大幅な減額も期待しづらい状況でした。
こうした状況を踏まえ、まずは各債権者から取り寄せた取引履歴に基づいて利息の再計算を実施し、仮に債務が大きく減額されるようであれば個人再生、ほとんど減らない場合には自己破産の申立てを選択する、という2段階アプローチを提案させていただきました。
結果として、債務総額の大幅な減額は見込めなかったこと、また任意整理や個人再生を無理に選択してしまうと返済不能に陥るリスクが高まることから、A様にも十分ご納得いただいた上で自己破産手続きを進めることとなりました。
チェックポイント
- 毎月の余剰金が約3万円とわずかで、継続返済が困難であること
- 借入期間は長めでも、借金が増えたのは直近1~2年で、引き直しによる減額が期待できなかったこと
- ギャンブルが原因の借金は、自己破産において「免責不許可事由」に該当する可能性がある
- 一般の会社員が自己破産をする場合には、退職金規定または予定退職金証明書の提出が必要
手続きの結果
A様の場合、債権者から取り寄せた取引履歴に基づき利息の引き直し計算を行いましたが、債務総額に大きな変動はなく、返済の継続は困難であると判断。最終的に自己破産の申立てを行いました。
ただし、借入原因がギャンブルであることから、「免責不許可事由」に該当する可能性があり、免責(借金の免除)が認められない懸念もありました。
その結果、裁判所から、A様が有する予定退職金の8分の1に相当する25万円を、債権額に応じて按分(あんぶん)弁済することを条件に、免責が許可されました。なお、按分弁済の資金はA様の冬のボーナスを活用して一括支払いしました。
ギャンブルが原因でも、自己破産が認められる可能性があることを証明した実例です。
手続きの期間と費用
- 手続き期間:
- 受任からの申立てまで約2か月,申立てから免責許可まで約5か月、合計約7か月
- 費用:
- 当事務所報酬(着手金を除く):42万円(月々2万円の分割払い)
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