任意整理解決実例5|訴訟中のギャンブル債務を家族に知られず解決した方法
任意整理の実例 ケース5
家族に知られず、訴訟中の債務も任意整理で解決
お悩み(愛知県在住 Mさん/30代・会社員)
突然の訴状に動揺…家族に知られず、パチンコによる借金トラブルを相談
Hさんはパチンコが趣味の会社員。家計は奥様が一括管理しており、Hさんは毎月決まった生活費の範囲内でやりくりしていました。ある日、友人の結婚式や急な出費が重なり、自由に使えるお金が底をついてしまいます。
「こういう時のために貯金しておくべきだった」と奥様に助けを求めても冷たく突き放され、追い詰められたHさんは「少額ならすぐ返せる」と考えて、初めて消費者金融から借金をしてしまいました。
しかし一度借入をすると、想像以上に簡単な手続きで資金が手に入り、次第にパチンコ代にも借金を使うようになり、返済が追いつかない状態に。返しても元本が減らない日々が続き、ついには支払いの遅れから裁判所からの訴状が届く事態に発展しました。
「裁判所からの手紙にパニック」「家族には絶対知られたくない」
──そう悩んだHさんは、途方に暮れた末に当事務所へご相談に来られました。
問題となるポイント
- 裁判所からの訴状が届いた場合、どのように対応すべきか?
- 家族(配偶者)に知られずに債務整理を進める方法はあるか?
- 借金の原因がギャンブル(パチンコ)の場合でも債務整理は可能か?
- 任意整理・自己破産・個人再生の中で、最も適した手続きはどれか?
現状
借金及び財産の状況
借金
| 借入先 | 借金 | 取引期間 |
|---|---|---|
| 消費者金融 6社 | 約179万円 | 1年~10年 |
| 合計 約179万円 | ||
月々の家計の状況
| 収入 | 支出 |
|---|---|
| Hさんの収入 約34万円 | 生活費(家賃、食費等) 約20万円 |
| Hさんの借金返済 約7万円 | |
| 合計 約34万円 | 合計 約27万円 |
※月々の収入から借金の返済を除いた支出合計を引くと14万円となります。これが余剰金(月々の収入から返済に充てることができる金額の基準)です。
解決のご提案
Hさんの場合、全体の家計収支を見れば返済に必要な資金は確保できる状況でしたが、実際には奥様が家計を管理しており、ご本人が自由に使えるのは毎月6万円。そのうち昼食代などの生活費を差し引いた結果、債務返済に充てられるのは3万円が限界でした。
また、債権者の一部から訴訟を提起されており、早急に対応が必要なことから、債務整理の中でも債権者を選んで手続きできる「任意整理」が最適と判断しました。
自己破産については、Hさんの家計全体での余剰が月14万円あるため、「支払い不能」とまでは言えず、免責の許可が下りない可能性が高いことをご説明しました。一方で、取引期間が10年に及ぶ債権者もおり、利息の引き直しによる大幅な債務減額が見込まれる点が大きな救いとなりました。
任意整理後の返済額が3万円以内に収まれば、奥様に知らせる必要もなく手続きを完結できますが、超過する場合は奥様への説明と協力が必要であることを丁寧にご説明し、ご理解いただいたうえで手続きを進めました。
さらに、訴訟対応については、このまま放置すると債権者の主張通りの判決が下り、給与等が差し押さえられるリスクがあるため、まずは裁判外での和解交渉を試み、それが不調に終わった場合は司法書士が代理人として訴訟対応も行う方針でご案内しました。
チェックポイント
- 家計全体でみると月々返済できるお金が十分にある
- 受任通知により訴訟が取り下げられる可能性がある
- 取引期間が7年以上ある場合は過払い金が発生している可能性が高い(当時)
- 訴訟を放置すると給与差押などのリスクがある
- 任意整理は誰にも知られずに進められるが、返済額によっては家族の協力が必要な場合がある
手続きの結果
| 債権者 | 依頼時の残金 | 取引年数 | 引き直し後の残高 | 支払方法 | 月々の返済額 |
|---|---|---|---|---|---|
| 消費者金融A社 | 約5万円 | 10年 | 過払い金 45万円 | - | - |
| 消費者金融B社 | 約15万円 | 5年 | 約1万円 | 一括 | 0円 |
| 消費者金融C社 | 約40万円 | 4年 | 約40万円 | 分割 57回 | 7千円 |
| 消費者金融D社 | 約80万円 | 5年 | 約15万円 | 分割 30回 | 5千円 |
| 消費者金融E社 | 約30万円 | 2年 | 約26万円 | 分割 32回 | 8千円 |
| 消費者金融F社 | 約9万円 | 1年 | 約9万円 | 分割 18回 | 5千円 |
| 合計 約179万円 | 合計 約46万円 | 合計 2万5千円 |
※債権者Cは法定利息のため債務の減額はありません。
解決の詳細と成果
訴訟対応について:訴訟を起こされた債権者(C社)については、司法書士が受任してから裁判までの期間が短かったため、裁判外での交渉は不調に終わり、訴訟上での和解を行うこととなりました。40万円を一括で支払うことは困難であり、またその時点で一部債権者からは取引履歴が届いていなかったため、他の債権者への支払いも考慮し、月額7千円(57回払い)の分割和解を成立させました。
その結果、借金総額は約46万円に整理され、月々の返済額は2万5千円に抑えることができました。さらに、6社中1社において過払金が発生し、45万円の回収に成功。報酬を差し引いても16万円が手元に残り、Hさんへ返金することができました。
最終的にHさんは、奥様に知られることなく手続きを完了されましたが、「今後は同じことを繰り返さない」と決意し、余剰金はパチンコではなく貯金に充てるとの意思を固め、再スタートの第一歩として、自ら奥様にこれまでの経緯を説明されました。
手続きの期間と費用
- 手続き期間:
- 受任からの取引履歴開示まで約2か月,和解まで合計約4か月
- 費用:
- 当事務所報酬(着手金を除く):29万円(過払い金よりお支払い)
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