任意整理Q&A(71〜80)|司法書士【20年1500件超】が回答
任意整理に関するよくあるご質問を、Q&A形式でわかりやすくご紹介します。
「借金の返済が苦しい」「家族に知られずに整理したい」
──そんなお悩みに、名古屋で20年以上・債務整理1,500件超の実績をもつ司法書士事務所LEGAL SQUARE(代表司法書士・寺田好克)が、全国対応・Zoom相談にも柔軟に対応し、実務に基づいて具体的にアドバイス。
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任意整理Q&A 71~80
- Q71
- 任意整理の手続き前に、オンラインカジノの賭金としてクレジットカードで合計50万円入金をして利用してしまいました。このような場合には、もう任意整理はできませんか?
- Q72
- 任意整理の手続きをすることにより、借金がゼロになることはありますか?
- Q73
- 平成22年より以前に銀行でカードローンを借りて返済をしていましたが、任意整理の手続きをすることにより、借金がゼロになることはありますか?
- Q74
- 平成23年から消費者金融でキャッシングをして返済をしていましたが、任意整理の手続きをすることにより、借金がゼロになることはありますか?
- Q75
- 任意整理のメリットは何がありますか?
- Q76
- 多重債務のため「おまとめローン」を検討していますが、任意整理とどちらが良いですか?
- Q77
- 多重債務になり、おまとめローンと任意整理のどちらにするか迷っています。任意整理にはどのようなデメリットがありますか?
- Q78
- 多重債務になってしまい、おまとめローンと任意整理のどちらにするか迷っています。おまとめローンにはどのようなデメリットがありますか?
- Q79
- 多重債務のため3か月前におまとめローンを利用しましたが、すぐに返済ができなくなってしまいました。今から任意整理をすることは可能でしょうか?
- Q80
- 多重債務の返済のため、友人からお金を借りるか、任意整理をするか迷っています。どちらを選ぶべきでしょうか?
- Q71
任意整理の手続き前に、オンラインカジノの賭金としてクレジットカードで合計50万円入金をして利用してしまいました。このような場合には、もう任意整理はできませんか?
- A
-
任意整理は可能ですが、オンラインカジノに関わるカード利用は、債権者の信頼を著しく損なうため、極めて厳しい条件での和解交渉となる可能性が高く、早期の専門家相談が不可欠です。
オンラインカジノ利用は「違法性のあるギャンブル行為」とみなされる
オンラインカジノは日本国内において違法賭博(刑法第185条等)に該当する可能性が極めて高く、クレジットカードを通じた入金は法的にも倫理的にも重大な問題となりえます。
債権者が即座に気付く理由
- 取引履歴に海外の決済代行業者名が明記
- 当事務所にも、債権者が特定したオンラインカジノの痕跡付き履歴が送られてくる
- カード会社はオンラインカジノと知ると支払拒否やカード停止対応を取ることも
任意整理は可能だが、債権者の対応は非常に厳格になる傾向
債権者によって対応は異なりますが、次のような極めて厳しい交渉条件が提示されるケースが大半です。
想定される厳格な対応例
- オンラインカジノに使用した部分については一括払いでなければ和解不可
- 和解を認めても分割回数は12〜24回程度と短縮される
- 将来利息の免除は認められず、通常より高い利率での分割に
- カード利用停止・ブラックリスト登録などの与信措置が強化される
オンラインカジノ利用は「任意整理全体」にも悪影響を及ぼす可能性
このような使途があると、該当債権者だけでなく、他の債権者からの信頼にも影響を与えることがあり、以下のような波及的リスクが発生します。
- 他債務の和解条件にも連鎖的に悪影響
- 破産や再生に切り替える際にも「免責不許可事由」に問われる可能性
- 金融事故履歴として記録が長期に残る可能性
当事務所の対応方針|深刻な事案でも誠実に対応し、解決を目指す
司法書士事務所リーガルスクウェアでは、オンラインカジノ等の履歴がある方についても、以下のような対応を徹底しています。
- 取引履歴・金額・期間をすべて開示してもらいリスク評価
- 該当債権者との交渉戦略を分離して策定(ハイブリッド型交渉)
- 本人の反省・再発防止の姿勢を証明する誓約書等の活用
- 必要に応じて、個人再生・破産との比較整理もご提案
今すぐすべき行動|放置や隠蔽はNG、早期相談がリスク最小化の鍵
- オンラインカジノの入金履歴をすべて確認・整理する
→ 利用日・金額・決済業者名・入金頻度を正確に把握しましょう。 - 二度と利用しないことを明確に決意・宣言する
→ 任意整理成功の前提は「再発防止の意思表示」です。 - 司法書士にすぐ相談し、債権者対応戦略を立てる
→ 一括対応・分割交渉・将来利息への対応を個別に構成する必要があります。
まとめ|オンラインカジノの利用履歴がある場合、任意整理の成否に大きく影響します。すぐに専門家にご相談ください。
- オンラインカジノは違法賭博に該当する可能性があり、任意整理の信用に大きく影響
- 履歴は隠しようがなく、債権者の判断は非常に厳しくなりがち
- 交渉次第で和解可能な場合もあるが、条件は通常より遥かに厳しくなる
- 再発防止を徹底し、司法書士の支援を得て信頼回復を図ることが不可欠
- Q72
任意整理の手続きをすることにより、借金がゼロになることはありますか?
- A
-
あります。ただし、すべての方に当てはまるわけではなく、「利息制限法を超える利息を支払っていた場合」に限られます。
借金がゼロになるのは「過払い金」が発生している場合のみ
(消滅時効は別の手続きとなりますので割愛させていただきます。)
任意整理は、原則として将来利息のカットや分割返済による負担軽減を目指す手続きですが、過去に違法な高金利(グレーゾーン金利)で借入れをしていた場合には、元本自体が減額または消滅することがあります。借金がゼロになる可能性がある条件
- 平成22年(2010年)以前に消費者金融や信販会社で借入れしていた
- 借入期間が5年以上かつ完済せずに返済を続けていた
- 利息制限法の上限(年15〜20%)を超えた利率で返済していた
このような場合には、利息を法律上の上限に引き直す再計算(引き直し計算)を行うことで、借金がゼロになる、もしくは過払い金が発生することもあります。
過払い金の時効に注意|10年経過で返還請求ができないことも
過払い金は債権者から取り戻すことができますが、「最後の返済日から10年」が経過すると、消滅時効により請求できなくなるため注意が必要です。
過払い金の請求ができないケース
- 完済後10年以上が経過している
- 契約終了後、債権者と音信不通のまま長期間経過している
- 一度返済が途絶えたあと再度契約した場合に、時効が中断していない
→ 時効成立により、返還請求や借金ゼロの効果が得られないこともあるため、早めの相談が重要です。
当事務所の対応方針|過払い金調査を含めた任意整理に対応
司法書士事務所リーガルスクウェアでは、任意整理をご検討中の方に対して、次のような対応を行っています。
- 過去の借入れ履歴を精査し、利率・取引期間をチェック
- 引き直し計算を行い、過払い金や借金ゼロの可能性を判定
- 借金ゼロ・過払い金発生が確認された場合は返還請求手続きへ移行
- 時効が迫っている場合は、即日債権者へ通知・時効中断措置を実施
今すぐすべき行動|借金ゼロの可能性がある方へ
- 借入先・期間・金利の履歴を確認する
→ 契約書・カード・明細・通帳などを手元に用意しましょう。 - 完済日や最終返済日をチェックする
→ 時効にかかっているかを確認し、早期の対応が必要かどうか判断します。 - 司法書士に相談し、無料で引き直し計算を受ける
→ 借金がゼロになるか、過払い金があるかをプロの目で診断します。
まとめ|任意整理で借金ゼロになるケースもある。過去の取引内容の確認がカギ
- 任意整理で借金がゼロになるのは「過払い金」が発生している場合
- 平成22年以前の借入れ・高金利・長期返済が条件
- 10年経過すると過払い金は時効により請求不可になることもある
- まずは司法書士に相談し、引き直し計算で正確に確認を
- Q73
平成22年より以前に銀行でカードローンを借りて返済をしていましたが、任意整理の手続きをすることにより、借金がゼロになることはありますか?
- A
-
原則として、銀行からの借入れが任意整理でゼロになることはありません。ただし、「消滅時効」に該当すれば借金がゼロになる可能性はあります。
銀行カードローンには「過払い金」は発生しない
消費者金融や信販会社の場合、平成22年(2010年)以前には利息制限法を超える高金利(グレーゾーン金利)が問題となっていましたが、銀行は当初から法律の上限内で利息を設定していたため、違法利息による過払い金は基本的に存在しません。
つまり…
- 銀行ローンでは「引き直し計算」をしても借金は減らない
- 任意整理によって借金がゼロになることも原則ない
- 任意整理で可能なのは、将来利息のカットと分割返済による負担軽減
ただし「消滅時効」が成立すれば、借金がゼロになることがある
例外として、以下のような条件を満たす場合には、時効援用により借金がゼロになる可能性があります。
消滅時効が成立するための要件
- 最後の返済または借入れから5年以上が経過している
- その間に銀行から裁判(訴訟・支払督促)を起こされていない
- 途中で「支払います」と口頭・書面で約束していない
- 債務を一切承認していない(書面や電話なども含む)
このような場合には、専門家を通じて「時効の援用通知」を出すことで、法的に借金の支払い義務がなくなる(ゼロになる)ことがあります。
当事務所の対応方針|時効の可能性を含めた債務状況を総合判断
司法書士事務所リーガルスクウェアでは、銀行借入に関するご相談について、以下のような点を慎重に確認した上で、最適な対応方針をご提案しています。
- 最終返済日・契約内容・督促の有無などを正確に確認
- 時効援用の可能性がある場合は、時効中断の事実も含めて精査
- 任意整理が適しているか、自己破産・個人再生を含めた比較検討
- 銀行との交渉が必要な場合も、過去事例に基づき慎重に対応
今すぐすべき行動|「放置中の借金がある方」は確認必須
- 銀行からの借入内容・最終返済日を調べる
→ 取引履歴・通帳・明細書があれば用意しましょう。 - 督促や裁判の有無を思い出す/書類を確認する
→ 裁判があれば時効は中断している可能性があります。 - 時効援用が可能かどうかを司法書士に相談する
→ 曖昧な判断で進めると逆に支払義務が確定してしまうリスクもあります。
まとめ|銀行ローンは任意整理でゼロにはならないが、「時効」でゼロになる可能性あり
- 銀行カードローンに過払い金は基本的に存在しない
- 任意整理では将来利息カット・分割交渉は可能だが、借金がゼロになることはない
- 最終返済から5年以上経過しており、裁判等がなければ「時効の援用」で借金ゼロになることも
- 時効の可否や対応の可否は、必ず専門家に確認するのが安全
- Q74
平成23年から消費者金融でキャッシングをして返済をしていましたが、任意整理の手続きをすることにより、借金がゼロになることはありますか?
- A
-
原則として、平成23年以降のキャッシングで借金がゼロになることはありません。ただし、「消滅時効」に該当すれば、借金の支払い義務がなくなる可能性はあります。
任意整理では「将来利息のカット」は可能だが、借金そのものは減らない
消費者金融のキャッシングについては、平成22年6月17日までの間、一部で利息制限法を超える違法な高金利(グレーゾーン金利)がまかり通っていました。
しかし、平成22年6月18日の改正貸金業法の完全施行以降は、違法金利の徴収は法的に禁止され、すべての消費者金融が法定金利内で貸し付けを行うようになりました。つまり…
- 平成23年以降の借入れに過払い金は基本的に発生しない
- 引き直し計算をしても借金が減ることはない
- 任意整理でできるのは、「将来利息のカット」「分割払いの交渉」など
例外として「消滅時効」により借金がゼロになるケースもある
以下のような条件を満たしている場合には、「時効の援用」によって、借金がゼロになる可能性があります。
消滅時効が成立する条件
- 最後の返済または借入れから5年以上が経過している
- その間に消費者金融から訴訟や支払督促を起こされていない
- 債務の存在を認める発言や書面のやり取りがない
- 債権者からの連絡に応じて、返済の約束をしていない
このような条件をすべて満たしている場合、司法書士を通じて「時効援用通知」を送ることで、借金の支払い義務を法的に消滅させることが可能です。
専門家に相談すべき理由|時効かどうかは見落としやすい判断が必要
時効が成立しているかどうかの判断には、裁判歴の確認や取引履歴の精査、過去の書面の有無など、複雑な判断が求められます。
下手に自己判断してしまうと、かえって支払義務を認めたとみなされて時効がリセットされるリスクもあります。こんな場合は今すぐ相談を
- 5年以上返済していないが、放置している借金がある
- 「昔の借金だからもういいはず」と思っている
- 消費者金融から最近ハガキや電話が届いた
まとめ|平成23年以降の借入れで借金がゼロになるのは「時効援用」に該当する場合のみ
- 平成23年以降の消費者金融のキャッシングには過払い金は発生しない
- 任意整理では借金は減らないが、将来利息のカットや分割交渉は可能
- 返済を5年以上しておらず、訴訟や督促がなければ「消滅時効」で帳消しの可能性
- 迷ったら専門家に相談を。早めの対応で負担軽減が図れます
- Q75
任意整理のメリットは何がありますか?
- A
-
利息カットと長期分割による「支払総額・毎月返済額の圧縮」、裁判所を使わないことによる「手続きの簡便さ・内密性」、そして(該当者には)過払い金精算で借金がゼロ/返金となる可能性――これらが任意整理の主なメリットです。
任意整理の主なメリット
① 過払い金・元本減額の可能性(平成22年6月18日以前の高金利用)
平成22年6月18日(改正貸金業法完全施行)以前に、消費者金融等で法定上限(利息制限法)を超える利率でキャッシングしていた場合、引き直し計算により
- 元本が減額される
- 借金が0円になる
- 過払い金が発生し、取り戻せる
ことがあります。
② 将来利息をカットできる(15〜20% → 0%)
和解日以降の利息(将来利息)を原則0%にできるため、支払総額が数十万〜100万円超減るケースも珍しくありません。
例:年18%・残高140万円・残期間4年 → 利息カットで総返済額が大幅圧縮。③ 36〜60回(場合により60回超)までの長期分割が可能
債権者との交渉次第で、3〜5年(場合により5年以上)の分割が認められ、毎月返済額を現実的な水準まで落とせます。
④ 受任通知後は督促が止まり、完了まで(約5〜6か月)返済を一時停止
司法書士・弁護士が受任通知を送付すると、電話・郵送等の督促が原則ストップ。和解成立までの約5〜6か月は返済不要となり、家計の立て直し期間を確保できます。
⑤ 家族・勤務先に知られず内密で進めやすい
裁判所を使わない私的整理のため、家族や勤務先へ通知される手続きではありません(郵便物の送付先等の配慮で、周囲に知られず進められるケースが大半)。
⑥ 手続きに含める債権者を選べる
自己破産・個人再生は全債権者を手続きに含める必要がありますが、任意整理は対象とする金融機関(カード会社)を選択可能。住宅ローンや自動車ローンを外す、といった柔軟な設計ができます。
⑦ 裁判所手続きより圧倒的に簡便
自己破産・個人再生のように、多量の添付資料(家族・同居人の収入書類等)や裁判所審査は不要。負担や心理的ハードルが低く、スピード感を持って着手できます。
まとめ(最重要ポイント)
- 将来利息0%+長期分割で、無理なく完済できる計画に組み替えられる
- 平成22年6月18日以前の高金利用があれば、元本0円・過払い金発生の可能性
- 受任通知後は督促ストップ&返済一時停止で生活再建に集中できる
- 裁判所を使わず、内密・簡便に進められる
- 対象債権者を選べる柔軟性がある(=住宅・車を守りやすい)
- Q76
多重債務のため「おまとめローン」を検討していますが、任意整理とどちらが良いですか?
- A
-
借金問題の本質的な解決を目指すなら、任意整理の方が圧倒的に有利です。将来利息をカットできる任意整理の方が、支払総額も期間も大きく減らすことができます。
比較:おまとめローン vs 任意整理(借金200万円の場合)
比較項目 おまとめローン(年利15%) 任意整理(将来利息0%) 金利 約15%(高金利) 0%(交渉により将来利息カット) 月額返済 約40,000円 約33,400円 支払総額 約316万円(元本+利息116万円) 200万円(元本のみ) 返済回数 約79回(6年7か月) 60回(5年) 手続きの自由度 すべての債務を一本化 整理する債権者を選べる 審査の有無 審査あり(通らないことも) 債務者本人の意思で可 解説:なぜ任意整理の方が有利なのか?
① 将来利息を0%にできる(交渉次第)
おまとめローンは通常15〜20%の高金利になることが多く、利息総額が100万円を超えるケースも珍しくありません。
任意整理で将来利息を原則ゼロ%にできれば、支払総額が大幅に減少し、完済までの見通しも立てやすくなります。② 分割回数の柔軟な交渉が可能
任意整理では、36回〜60回(場合によってはそれ以上)までの長期分割払いを交渉でき、家計に合わせた現実的な返済計画を組むことができます。
③ 信用情報はどちらも登録される
任意整理もおまとめローンも、信用情報には登録されます(任意整理は債務整理情報、おまとめローンは新規ローン情報)。
しかし、おまとめローンの審査は通らないことも多く、利息面でも不利な条件を受け入れなければならないため、あえて高金利で借り直すより、任意整理の方が負担が軽くなります。④支払総額・期間・月々の負担すべてで任意整理が優位
数字で比較すれば明白です。「利息がかかる借金」か、「利息がゼロの借金」という点で、任意整理のメリットは圧倒的です。
結論(専門家の視点)
- 支払総額を減らしたい方には任意整理が断然有利
- おまとめローンは借金の"見かけ"を整えるだけで、実質の負担は重くなることが多い
- 借入金額が大きくなる前に、早めに任意整理を検討することが生活再建の近道です
- Q77
多重債務になり、おまとめローンと任意整理のどちらにするか迷っています。任意整理にはどのようなデメリットがありますか?
- A
-
任意整理の最大のデメリットは、信用情報(いわゆるブラックリスト)に登録されることです。ただし、おまとめローンでも延滞すれば同様にブラックリストに登録される可能性があります。
任意整理の主なデメリット
① 信用情報(ブラックリスト)に登録される
任意整理をすると、CICやJICC、全国銀行個人信用情報センター(KSC)などの信用情報機関に事故情報として登録されます。
その結果、下記のような制限を受ける可能性があります。- クレジットカードの新規発行ができない
- 分割払いやショッピングローンの審査が通らない
- 自動車ローンや住宅ローンの利用が難しくなる
- キャリア決済やスマホの分割購入にも影響が出る場合がある
この信用情報の登録期間は通常5年間程度であり、その期間を経過すれば再び金融サービスの利用が可能になります。
② 対象債権者との関係に注意が必要
任意整理は手続きをする債権者を選べるという大きなメリットがありますが、以下のような点に注意が必要です。
- 任意整理の対象にしなかったクレジットカード会社が、任意整理した事実を知った場合、カード利用を停止される可能性がある
- 保証会社やグループ会社間での情報共有により、手続き対象外の債権にも影響が及ぶことがある
③ 任意整理後も返済は必要
任意整理は借金をゼロにする手続きではありません。
(※例外として過払い金が発生する場合は除く)。
将来利息はカットされますが、元本は原則全額支払う必要があります。
返済計画に無理がある場合には、個人再生や自己破産など他の手続きを検討すべきケースもあります。補足:おまとめローンでもブラックリスト登録の可能性がある
一見すると、おまとめローンは債務整理とは異なり、信用情報への影響が少ないように思われがちです。
しかし実際には、以下のような場合に信用情報機関へ事故情報として登録されてしまうリスクがあります。- 2か月以上の延滞をした場合(「延滞情報」登録)
- 一括請求を受けた場合
- 強制解約された場合
そのため、安易なおまとめローンの利用は、任意整理以上に信用情報に悪影響を及ぼすリスクがあると言えます。
結論(司法書士の見解)
任意整理には確かにデメリットもありますが、
- 信用情報の影響は一時的であること
- 将来利息をカットできるという確実なメリットがあること
- 分割交渉が可能であること
などを考慮すると、借金問題の根本的な解決手段として有効です。
信用情報への影響よりも、毎月の返済額や支払総額の削減によって生活再建を優先したい場合には、任意整理の方が圧倒的に有利です。
- Q78
多重債務になってしまい、おまとめローンと任意整理のどちらにするか迷っています。おまとめローンにはどのようなデメリットがありますか?
- A
-
おまとめローンは一見すると便利な制度に見えますが、実際には以下のような重大なデメリットがあるため、借金問題の根本的な解決策とは言いがたいのが実情です。
おまとめローンの主なデメリット
① 高金利で利息負担が大きくなる
おまとめローンの多くは15%〜20%前後の高金利が設定されており、借入総額によっては利息だけで数十万〜百万円を超えるケースも珍しくありません。
返済期間が長くなるほど利息負担は増大し、元本がなかなか減らないという事態に陥りがちです。② 延滞によってブラックリストに登録されるリスクがある
おまとめローンでも延滞が2か月以上続くと一括請求されることがあり、その結果、信用情報機関に事故情報(ブラックリスト)として登録されてしまいます。
任意整理をしていなくても、延滞による信用喪失は避けられません。③ 自転車操業のリスクが高まる
「まとめたはずなのに、返済が苦しくなり再度借り入れをしてしまう」という多重債務の再発例は多く、結果的に状況が悪化し、任意整理や個人再生、自己破産を選択せざるを得なくなるケースもあります。
④ 審査が厳しく、通らないことがある
おまとめローンの審査は通常のローンよりも厳格であり、すでに複数の借入がある方や収入状況が不安定な方は審査に通らないケースが多いのが実情です。
⑤ 返済実績がリセットされ、任意整理が不利になる可能性がある
おまとめローンを利用すると、これまでの返済実績がすべて新たなローン1本に置き換わってしまうため、その後に任意整理を検討することになった場合、返済実績が無いと判断され、債権者との和解交渉が不利になる可能性があります。
具体的には、- 分割払いを認めてもらえない
- 一括払いを求められる
- 将来利息のカットに応じてもらえない
といったケースが発生します。
結論(司法書士の見解)
おまとめローンは「借金を1本化できる」「毎月の支払いが下がる」などのメリットが強調されがちですが、実際には金利負担が増し、完済までの期間が長期化するうえに、失敗したときのリスクが大きい制度です。
特に、任意整理と比較した場合、将来利息を0%にできる任意整理のほうが、支払総額・返済期間ともに圧倒的に有利であるケースが大多数です。
借金問題の根本的な解決を目指すのであれば、安易なおまとめローンよりも、実績と経験のある司法書士に相談のうえ、任意整理の選択を強くお勧めします。
- Q79
多重債務のため3か月前におまとめローンを利用しましたが、すぐに返済ができなくなってしまいました。今から任意整理をすることは可能でしょうか?
- A
-
おまとめローン直後の任意整理は、原則として非常に困難です。
任意整理が難しくなる理由
任意整理の最大のメリットは、
- 将来利息のカット
- 長期分割(36~60回以上)での和解
ですが、これらを実現するためには、「返済実績がどの程度あるか」が非常に重要です。
おまとめローンを利用してしまうと、それまでの複数債権者への返済履歴はすべてリセットされ、新しい借入先(おまとめローン会社)との返済履歴がゼロの状態からスタートすることになります。債権者の対応が厳しくなるケース
この「返済実績ゼロ」の状態で任意整理を申し入れても、債権者側からは以下のような厳しい和解条件を提示されることが想定されます。
- 将来利息のカットに応じてもらえない
- 分割回数が極端に短くなる(12回・24回など)
- 一括払いを求められる
- 和解そのものを拒否される
このように、おまとめローンをした直後の任意整理は債権者との交渉が極めて不利な立場に立たされることになります。
司法書士からのアドバイス(依頼推奨)
おまとめローンを申し込む前に、本当にそれが最善の方法なのかを専門家に確認することが極めて重要です。
今回のように「おまとめ直後に返済不能になった場合」は、状況によっては- 一定期間返済実績を積んだうえでの任意整理
- 消滅時効の援用
- 個人再生または自己破産の選択肢
など、他の手段を検討したほうが適切なケースもあります。
当事務所では、こうした「おまとめローン後の債務トラブル」についても多数の相談実績がございます。
任意整理が可能かどうか、無料相談(Zoom・電話・メール)で丁寧にご案内いたしますので、まずは一度ご相談ください。
- Q80
多重債務の返済のため、友人からお金を借りるか、任意整理をするか迷っています。どちらを選ぶべきでしょうか?
- A
-
任意整理をすることを強くおすすめいたします。
【理由1】友人からの借入れは人間関係にリスクがあり、根本的な解決にはなりにくい
たしかに、友人から無利息でお金を借りることができれば、債務の整理方法としては理想的に見えるかもしれません。
しかし、友人との金銭の貸し借りは、最も人間関係を壊しやすい行為のひとつです。- 返済が滞った際の気まずさや不信感
- 約束と異なる返済内容に対するトラブル
- 第三者に借金の事実を知られる可能性
このような問題は、精神的なストレスや信頼関係の破綻を招く可能性があります。
また、借入額が数十万円〜数百万円に及ぶ場合、すべての債権者に一括返済できるだけの金額を用意できるケースは稀であり、結局は返済に行き詰まってしまう可能性も否定できません。【理由2】任意整理は「他人に頼らず」「合法的に債務を圧縮」できる確実な方法
任意整理は、裁判所を通さずに債権者と将来利息のカットや長期分割による返済交渉ができる法的手続きです。
- 借金の元金のみでの分割返済が可能
- 返済額の軽減・月々の負担減が期待できる
- 家族や職場に知られずに手続きができる
- 友人や他人に迷惑をかけず、自分の力で解決できる
このように、任意整理は法的な裏付けのある、最も現実的かつ精神的にも安心できる債務整理手段といえます。
【結論】
無理に友人に頼るよりも、まずは司法書士や弁護士などの専門家にご相談のうえ、任意整理で計画的に返済を進める方が、将来にわたるトラブル回避と自立した生活の再建につながります。
当事務所では、Zoom・電話・メールでの全国無料相談を実施しております。あなたの状況に合わせた最善の解決方法をご提案いたしますので、お気軽にご相談ください。
債務整理全般の相談は今すぐ!
Zoomで全国対応。家族に知られずに対応出来ます。
司法書士事務所LEGAL SQUAREでは、1,500件を超える債務整理の実績に基づき、債権者ごとの交渉ノウハウを熟知しています。
Zoomによる全国対応も可能です。